第1項 従来計算とEIQマトリスク計算の違い

 Tera計算では、ABC分析手法で集計する計算を従来計算と呼んでいる。
ABC
分析はランクを3分割でアイテム別集計と出荷先集計をしているが、Tera計算はランクを5分割でアイテム別集計と出荷先集計をしている。
 従来計算は、アイテム集計と出荷先集計の各項目の合計は同じだが、アイテム集計と出荷先集計との関連性は無い、したがって従来計算は、この二つの表からアイテムランクA1の商品がどのような出荷先ランクに配分されているか解らない。 
配送センター規模・運用方法検討や各工程の物流量を計算するときに出荷先とアイテムを関連付けたデータが必要になる。 

Tera
計算は「アイムランクと出荷ランクを関連付けて、アイテムランク5*出荷ランク525ブロックに区分し集計する方法を提案している、Tera計算ではこの集計表をEIQマトリクス表と言う。 
また、
Tera計算は同じランク区切りで行数(出庫回数)、バラ数、ケース換算、PL換算、容積換算、重量換算を表示出来る。
このEIQマトリクス表により例えば。
出荷作業エリアフロー棚のアイテムA1ランク商品は、何回ピッキングして、総バラ数は幾つか、
その時の容積は幾つか、出荷コンテナは何個必要か、
保管エリアからフロー棚の補充は何ケースになり、保管エリアから混載
PLで運んできたとき何パレットになるか、
容易にEIQマトリクス表から読み取ることができる。

EIQマトリクス表の表示単位バラはバラ数、ケースはケース換算、PLはPL換算、容積は容積換算、重量は重量換算を意味している。
今後、バラ数以外の物量単位は全てバラ数から換算された換算単位であることを留意して頂きたい
(ケースと言う表現が有ったらケース換算と言う意味)。


前記にEIQマトリクス表は5*5=25のブロックに分けた集計表であることは述べたが、横計は出荷先物量の集計で、縦計はアイテム物量の集計である。
もし、EIQマトリクス表が表示単位をPL換算した場合、横計は従来計算アイテム集計のPL換算と合致、縦計は従来計算発送先集計のPL換算と合致する。  マトリクス集計と従来計算はリンクしており常に同じ内容を表示する。発送先数・アイテム数においても同様である。







EIQ表とEIQマトリクス表の違い

本来は、どのアイテムがどの発送先に行っているかの物量をみてシステム設計を行うのが筋で、鈴木震先生はこれをEIQ表として紹介している。
確かに発送先数50程度、アイテム数100程度であればEIQ表作成し検討することは可能。
しかし、今回の出荷データのように、発送先400以上でアイテムは4000以上あるEIQ表は8畳の広さには収まらない表となってしまい、とても読み切れない。

Tera計算では、EIQ表をランクでグループ分けした集計を考案し、これをEIQマトリクス表と呼ぶことにした。

また、EIQ表を点で表示して散布図にする方法がある。 発送先400・アイテム4000は図にし、PC画面上で横スクロールして、視覚的にEIQ表の散らばりを見ることが出来る、
Tera
計算では、この図をEIQ散布図(Tera計算4_参考EIQを参照)と呼ぶことにした。



次に、鈴木震先生が考案されたEIQ グラフを紹介する。このグラフは、発送先の物量累計・アイテムの物量累計を曲線で、発送先出庫回数とアイテム数出庫回数を棒グラフで、一日の物量を一つの図で表現している。(Tera計算4_参考EIQを参照)

EIQ
表及びEIQグラフは別の著作物で確認頂きたい。


第2項 従来計算とEIQマトリスク計算の関係



従来計算は出荷先集計とアイテム集計を別々に集計するため
出荷先集計とアイテム集計の関係が解らない。

EIQマトリクス集計は、
出荷先A1ランクのアイテムA1ランクの物量が解り、出荷先とアイテムの関係を持たせた物量が集計されている。

所見
このEIQマトリクス表により、
アイテムランク(設備機器)から出荷先ランク(出荷エリア)にどれだけの物量が流れるか掴むことが出来る


EIQマトリクス表は、抽出条件を指定して、抽出条件に該当するデータを表示することが出来る

ケース出荷アテムのA1ランク、ケース出荷出荷先のA1ランク、バラ出荷アテムのA1ランク、バラ出荷出荷先のA1ランクなど、集計表見て混乱することが多い。
この混乱を無くするためにランク記号を見たときに表の内容を判別できるよう工夫している。

ランク記号「CE_A1」の意味は
1文字目、「C」ケース出荷と「B」バラ出荷
2文字目、ランク分けに使用したデータ項目、
「行」行数(出荷回数)、「バ」バラ数、「ケ」ケース換算、「
PL」パレット換算、「容」容積換算、「重」重量換算
3文字目、「E」出荷先ランク、「I」アイテムランク
4文字目、「A1A1ランク、「A2A2ランク、「B」はBランク、「CCランク、「DDランク
したがって、ランク記号「CケEA1」はケース出荷、ケース換算を元にランク計算、出荷先ランクのA1ランクを表している。


所見
EIQマトリクス表を切り取り、別の資料に張り付けるときは
切り取った表の上部に「出荷方法(ケース出荷)」「出荷日(2022/05/09)」「表示単位(ケース)」を併記しないと,何の集計か解らなくなるので注意する


Tera計算1の最初の画面。
(A1)でラジオボタン出荷日をクリックすると出荷日を指定して集計、ラジオボタン特性をクリックすると行数最大日・ケース出荷最大日・バラ出荷最大日の特性を選択可能。
(A2)ラジオボタンでケース出荷かバラ出荷の一択選択、
(A3)ラジオボタン表示単位から出荷回数・バラ等6種類から一択選択。
(A4)ラジオボタン実数・比率%を一択選択。(A1)―(A4)の選択後
(A5)開始ボタンをクリックして処理を開始。
(A6)のテキストボックスに処理状況を表示。

計算処理後、
(B1)に出力するケース出荷・バラ出荷区分を表示、
(B2)に出荷日、
(B3)出荷先数、
(B4)アイテム数を表示して、
(B5)データグリットビュー(表)にEIQマトリクス表を出力する。

マトリクス表は実数と比率%が表示できる。
A比率%は抽出後の合計(実数合計)を100%として、B比率%は出荷日全量の合計を100%として各ランクの比率を表示する。
(C1)は出荷データの4つの出荷条件項目からチェックボックスを使用して対象を選択(複数選択可)。 チェックボックスのチェックが無い項目のデータ(出荷データのレコード)を排除してEIQマトリクス表の計算を行う。
(C3)EXCLE出力はEIQマトリクス表をEXCLE出力する。
 


第1節_EIQマトリスク計算(分析集計)

第3章 Tera計算1 出荷データ分析