配送センターを建設する場所を立地と言い、建設する立地によりいろいろな法的規制(立地条件)がある。 都市計画法に限ってみても住居系や商業系・工業系などの13用途に分かれている。 その他建築法・消防法・電波法や近隣住民との調整など 、立地選定は専門家でなければ対応できないほど多い。
立地選定時には必ず用地面積(又は建屋面積)が必要となる。 これを社外に依頼すると時間とコストがかり、さらに社内負荷として現場調査(面積計算の前提条件を設定)をしなければならない。
Tera
計算2は出荷データから物流スペースの面積規模計算する方法と手順を教育するソフトであるが、立地選定時の参考資料を提供したく用地面積(建物面積)の計算行うソフトを追加している。 この計算値は参考値であって面積確定値ではないこと、最終的な面積確定は他の条件や別資料と併用して計算値を修正いただきたい。

有資格者(12級建築士)の設計図でのみ建物を建てることはできる、無資格者は建物の仕様を決めることはできない。 しかし配送センター面積や規模のイメージを持つことは可能であり必要と考える。
Tera計算2で示す建物図はイメージ図で設計図ではない。Tera計算2で示す建物寸法は仮寸法で、概算面積を算出するためのみに使用にている。

第1項 建屋縦横比

Tera計算2スペース面積集計には寸法の概念がない。 建物縦横比を指定することにより建物寸法を計算している。 縦横比112:1は少なく、3:2や4:3のような長方形型の配送センターが多い。


第2項 外壁・柱・防火壁
柱は建物を保持するための強度(材質・厚み・縦横寸法)が必要であるが、多階層の配送センターでは壁も建物強度を保持する役割(構造壁と言う)を果たしている。 したがって、建築後の壁は開口部を作るなどの変更は出来ない。
Tera
設定は、外壁200mm・、柱は1階建て700㎜*700㎜で1階増すごとに100㎜増で柱ピッチ10mとしている。
建屋の投影面積計算は外壁厚芯(壁厚200㎜であれば100㎜内側)を基準にして建屋投影面積を計算している。
外壁厚・柱スパン・防火壁厚のTera設定変更は面積計算に反映される。

第3項 床・梁と立面寸法

1階床は高床式1000mmで階高は各階床上7000 ㎜。床厚+梁高は1000㎜として階高を算出している。

第4項 多階層と庇(ひさし)

庇(ひさし)は配送センター入出庫口に設けられた雨除け屋根のこと。 3階以上の建物は庇が無く、建屋内にトラックが入る(Tera計算ではバース組込型と呼ぶ)形が多い。
庇は庇面積の50%が建屋投影面積に追加され、建蔽率=(建屋投影面積+庇面積*50%/)/敷地面積となる。

第5項 非常階段・エレベータ

2階以上の建物は非常階段・エレベータの面積を追加される。
Tera
計算では、建屋全面積に対して1500m2ごとに防火壁を設置、1500m2ごとに1.5m幅の非常階段と(2.3m2*2.3m2の貨物エレベータの面積*1.5セット)を追加している。

第6項 母屋・別棟PL自動倉庫

通常、配送センターは複数の建屋ではなく1棟の建屋で完結されている。
しかし、まれに自動倉庫をラックビル(棚部材に利用壁屋根を張付けた建屋柱が無い建物)にして別棟を建てる例がある。 まれでは有るが敷地レイアウト(特に敷地通路幅)に影響を与えるのでTera計算2に組込むことにした。

自動倉庫は投資効果を高めるため段数を多くなる、段数が多くなると2階や3階が吹き抜け構造になる。 建屋の床無し(吹き抜け)構造は構造的にもコスト的にも良いものではない。
自動倉庫を導入する場合は自動倉庫を別当にするか、配送センター(母屋)に組込むかは検討に値する事項と考えている。

第7項 建屋タイプ40パターン計算


建屋タイプ40パターンは、別棟区分2(別棟A及び別棟Bは同じ面積)*階数5*庇有無2*バース面240 通りある。この40通りの面積と主要寸法を計算し一覧表(Excel出力可能)にしている。敷地面積画面はこの一覧表よりは建物情報を得ている。

第8項 建屋仕様と多階層センターの計算

建屋面積画面の階数・別棟有無などの設定を変更して建屋(母屋)の縦横寸法の表示変化を確認できるが、この表示は一時的な表示で敷地面積計算には反映されない。(建屋タイプ40パターン計算が敷地面積計算に使用される)

第9項 母屋 平面寸法

建屋面積画面に建屋(母屋)の寸法を表示しているが縦寸法を変更して、横寸法を確認できるようにしているが、この表示は一時的な表示で敷地面積計算には反映されない。

第10項 母屋立面寸法

面積計算には使用しないが建屋のイメージを得るために高さ方向の寸法を表示している。

第11項 別棟PL自動倉庫 平面・立面寸法

別棟を採用した時のPL自動倉庫(ラックビル)の図と概略寸法を記載している。


建屋面積計算画面
物流スペースは、各設備面積の合計面積である。 面積の概念のみで寸法の概念はない。
建屋面積計算で建屋幅と奥行寸法比で建屋寸法を計算する。


第11節 建屋面積計算

第4章 Tera計算2_配送センター規模計算
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