第1項 入荷スペース面積とバース数の計算

出荷は、配送センターの独断で注文された出荷量を増減させたり納入日時を変更したりは出来ない。 一方で入荷は、仕入発注時に数量及び入荷日時の指示ができる。 配送センターは、入荷をコントロールすることにより、忙しい時間帯・忙しい曜日を避けて入荷作業をしている。

入荷は、出荷スペースの出荷しない時間帯を利用して、出荷スペースからも入荷している。
この出荷スペースを共有利用することにより入荷スペースを減少させることが出来える。
例は少ないが、出荷の無い夜中に入庫業者(別会社社員)が入庫作業から保管棚への搬送・バラピッキング棚への補充を行っている配送センターもある。 このような配送センターは入荷に出荷バースや出荷スペースを使用するので、入荷バースと入荷スペースはいらないことになる。

入荷物量が多いからと言ってバース数や入荷スペースが大きくなるとは限らない。
Tera計算2は入荷物量からバース数と入荷スペースを計算した上で、新たに入荷スペースと出荷スペースがどの位共有できるかを入力して、入荷バースと入荷スペースを再計算できるよう工夫している。

輸入品など入荷商品により入荷日時管理が困難で入荷日がずれる商品がある。 このような場合は、敷地内外に退避待機のスペース等の対策が必要になる。

以下、入荷スペースの計算方法と用語の意味について説明する。

入荷ピーク時間帯物量
ピーク時間帯物量とは物量が一日で一番多い時間(1時間)の物量、入荷量は入荷推定画面で計算された入荷物量、比率とは入荷推定値100%としたときピーク時間帯は何パーセントに相当するかを示す割合。比率=(ピーク時間帯物量/1日の入荷量)*100で計算。

入荷方法とは
仕入発注した商品が配送センターに入荷する時のパターン、Tera計算2では3パターン用意している。 ピーク入荷時にどのような車種がどの積載方法で、どれ程の積載率で入荷するかを設定する。

物量比
入荷方法1-3に配分される物量の割合。 入荷方法1の物量=(入荷方法1の入荷物量全/入荷物量)*100で計算する。

入荷トラック車種
トラックの車種により荷台の積載容量が異なる。 積載容量を設定するために計算対象の車種を一択選択する。 選択した車種により旋回半径が異なり、敷地レイアウト時影響を与えることを留意する。入荷はアイテム当たりの数量多いため出荷より大型車が使用される。 また、複数配送センター納品を行う車が(積載の荷を全て降ろさない)ある。
コンテナは遠距離輸送、特に40ftコンテナは輸入品が多い。

入荷トラックと積載率
通常、トラックの積載率=積載物の容量/トラック内容積であるが、入荷時の積載率は入荷トラックの積載率=荷降し積載物の容量/トラック内容積である。 例えば、2Tロング車が90%の積載率で入荷して20%荷降ろしすれば、入荷トラックの積載率は20%と見なす。

トラックの積載方式
積載方式はパレット積載とケース直積みの2種類。 トラックに対する対する積載荷降しが早いパレット積載にしたいところだが、積載量4トン未満の車種はパレット積載の積載率が悪いため、ケース直積みが多い。パレット積載は荷台幅に対して2パレット積載が可能な大型トラックであるが、トラック荷台高に対して2枚のパレット厚(150㎜*2枚)のロスが出る。
長距離輸送大型トラックがこのパレット厚ロスを嫌ってケース直積みをするケースが多い。
ケース直積みはケース容積を採用して計算。 パレット積載はケース直積み計算*((積載パレット枚数*150)/トラック荷台高)で計算。

空輸送機器の計算組込
パレット積載の時、入荷バース面積は出荷待機面積+返却されてきた空パレットの仮置面積。 ケース直積み時は返却されてきた空パレットの仮置面積=0として計算。

入荷バース数
入荷バースとは、入荷トラックが荷降ろしに必要な配送センター開口部(ドックとも言う)で、入荷バース数はピーク時間(1時間)に必要なドック数。 時間当たりトラック着床時間(分)の累計/60分で計算。 トラック着床時間は各車種単位にあらかじめ設定されている。(入荷スペース計算.xlsx参照)

入荷スペース面積倍率
入荷スペース面積の計算値に組込まれていない、待機商品の隙間や作業員が荷役をするための通路、作業事務スペース等。 入荷バース数の計算値に組込まれていない、検品時間、伝票処理時間、入出荷トラック同士が干渉する遅れ時間等。
これらの必要時間と必要時間を面積倍率で加味する。

第2項 出荷スペース面積とバース数の計算

出荷作業スペースは、保管スペースからアイテム別に蔵出した商品をケース出荷は仕分け、バラ出荷はピッキングして出荷先別に荷揃いするスペース。検品・梱包作業もこのスペースに含まれる。

工程の順番としては保管スペースが先で次に作業スペースで最後に出荷スペースとなる。
検討の順番は出荷が基準となるため逆になる、出荷スペース計算から出荷作業スペースそして保管スペースとなる。

出荷時に商品が全て保管スペースに有るという前提で計算するため、出荷の検討に入荷に関する事項は含まない。

出荷ピーク時間帯物量[寺本敏幸3]
Tera計算 2は出荷データを事前に分析して、一時間当たりの物量が多い物量比=(一時間当たりの物量が多い物量/1日の物量)*100を表示している。 この物量比と表示されている各表を見比べ物量比を入力する。

機器設備稼働率を上げるために物量比を目安25%以下にしたい。
30%を超えている場合は、概算規模計算であるTera計算時2は30%しても良いが、詳細検討時には物量比を前倒し作業などの対応策をして物量比を小さくしないと過剰仕様の機器設備を設定することになってしまう。

出荷方法と全物量比
出荷時のトラック車種を3パターン計算できる。 全量物量比は1日の出荷量を100%とした時各パターンに割り振る比率。

出荷トラック車種と積載率
トラック車種は11種類(2T標準・2Tロング・2Tロングワイド・4Tウィング車・4Tアルミトラック・4Tアルミバン・4Tウウィング車・10T スーパー・14T Gカーゴ・コンテナ20f・コンテナ40ft
)。出荷先の荷降ろし場が狭い・路上での荷降ろし等を考慮して、入荷トラックに比べ小型な車種が選択される、コンテナや10T以上の大型車両が選択されることはない。 出荷コンテナ容器や輸送機器による積載率は入荷積載率より劣る。

出荷積載方法と輸送機器
荷降ろし時間を少なくするためにカゴ台車などの輸送機器を使用している場合が多い。輸送機器は7種類(直積み輸送・パレット1100*1100・カゴ台車850*650・カゴ台車1100*800・ドーリ台車・両袖6輪台車・両袖台車)選択可能。 ケースはカゴ台車、バラ容器はドーリ台車・両袖台車が多い。

バラ出荷容器
大口出荷先へ定期的に納品する専用便は輸送機器や容器の返却が可能。一方で小口出荷先や個人の出荷先は共配や宅配便を使用する、他社と共同で配送する共配や運送業者に依頼する宅配は一方通行で、専用便は輸送機器や容器の返却は不可能。
自社便(専用便)は輸送機器や出荷コンテナ容器を使用可で、共配・宅配は段ボール包装で出荷することになる。
工程の流れとしては、双方ピッキング完了までは出荷コンテナを使用して検品後、出荷データの出荷区分(出荷コンテナ・段ボール)に基づいて、出荷区分(出荷コンテナ)はそのまま出荷、出荷区分(段ボール)は段ボールに再包装して出荷する。

出荷コンテナ容器は30型・40型・51型・60型の4種類の設定が可能で、型の前の数字はリットルで容量表している。
充填率=商品容積/容器内寸容積で、上限は90%が目安、商品が大きい場合や緩衝材を入れる必要があるときは70%程度になる。また、出荷物量が少なく出荷コンテナ容量に達しない出荷コンテナ、複数出荷していても端数出荷コンテナが有る事も充填率を下げる要素となる。 端数コンテナとは出荷コンテナ3個出荷で商品が2.5出荷コンテナであるとき、0.5分を入れた出荷コンテナを端数出荷コンテナと言う。 同じ意味で端数パレット・端数カゴ台車などで使われる「端数」は同じ意味。

通常出荷コンテナは折り畳み型で容積を小さくできる、返却時は折り畳み5段でドーリに載せていることを前提に空出荷コンテナ置場の計算、40型の空出荷コンテナの置場は一個当たり0.0118m2と計算。 ドーリはコンテナ容器専用台車のこと。

出荷スペース面積倍率
出荷スペース面積の計算は、荷同士の隙間、作業動線や出荷スペース内の荷役を考慮していない、これらの顧慮していない必要な面積を顧慮し、倍率で本来あるべき面積を計算する。120%から130%が目安。

タブページの表についての説明
計算結果タブページは出荷スペースの計算経過と計算結果を表で示している。
そのほかのタブページ出荷トラック仕様・輸送機器仕様・トラック別輸送機器積載量・輸送機器別バラ容器積載量・トラック別PL2段バラ容器積載数・計算に使用した数値を表示、計算内容を表で閲覧できるように工夫している。

第3項 出荷作業スペース面積の計算

ケース出荷とバラ出荷は作業方法が異なるため、作業場が異なり計算方法も異なる。 ケース出荷とバラ出荷とを分けて計算するのは、この出荷作業スペースを明確に設定し、計算精度を上げるため。 ケース出荷はアイテム単位で蔵出して出荷先別に仕分けする。バラ出荷はアイテム単位に蔵出ししてフロー棚や中量棚などの保管棚に保管され、その保管された棚より出荷先別にピッキングする。
出荷作業スペースは出荷検品及び梱包するスペースも含まれる。
Tera計算2では、ケース出荷の出荷検品は仕分時に行い、バラ出荷は検品・包装を用意された検品・包装場で行う計算をしている。 もし、Tera計算2では採用してないが、ピッキング時に検品する方法を選択すれば検品場はいらなくなり、検品・包装場は出荷コンテナで出荷できない小口集荷先・個人出荷先の段ボール包装を行うスペースで良いことになる。



出荷データに無いアイテムの処理
在庫の推定画面で出荷データには無い在庫アイテム(出荷無しアイテム数)を設定していたが、この出荷データには無い在庫アイテムをバラ出荷アイテムランクDに計算加える。
Tera設定では、出荷データのアイテム数の120%を在庫アイテム数と計算し、出荷していないアイテム数=918としている。 従って出荷データアイテムランクD=2164+918=3082としてバラ棚の計算をする。
この計算はアイテム数=棚間口数計算に反映させる。棚計算はアイテム数分の保管間口が有るという事が第一条件。

計算手順は棚間口数と棚間口容積(段当たり間口数で決まる)を決めて棚在庫日数を見る。棚在庫日数を大きくしたければ棚段当たり間口数を減らし(間口容積を大きくし)、棚在庫日数を小さくしたければ棚段当たり間口数を増やす(間口容積を小さくする)方法で棚仕様と棚台数を決める。 段当たり間口数が多ければ棚数が減り、少なくなれば棚数は増える。
在庫日数の目安はフロー棚3-5日、中量棚7-14日。在庫日数が小さければ棚数は減るが(設置面積が小さく)、棚への補充回数が多くなり作業運用が困難になる。

ケース出荷はカゴ台車(出荷先)に仕分ける、
1.3種類のカゴ台車の計算値を決める。
カゴ台車1100w1100d1700h
カゴ台車積載容積 = (1.1 * 1.1 * 1.4) * カゴ台車積載率
カゴ台車設置面積 = 1.2 * 1.2
カゴ台車通路面積 = 1.2 * 1.5

カゴ台車1100w800d1700h
カゴ台車積載容積 = (1.1 * 0.8 * 1.4) * カゴ台車積載率
カゴ台車設置面積 = 1.2 * 0.9
カゴ台車通路面積 = 1.2 * 1.2

カゴ台車 850w650d1700h
カゴ台車積載容積 = (0.85 * 0.65 * 1.4) * カゴ台車積載率
カゴ台車設置面積 = 0.95 * 0.75
カゴ台車通路面積 = 1.2 * 1.1
2.1の計算をべ-スに各発送先ランクの1出荷先当たりのカゴ台車数を計算
ランク別容積/発送先数を算出し、その値が0.5以上は1発送先1台、0.5から0.4以上は2発送先1台、0.4から0.3以上は3発送先1台、0.3から0.2以上は4発送先1台、0.2以下は5発送先1台の計算条件を定めて、仕分のためにセットするカゴ台車数を計算する。
3.2。の計算を3バッチで割って、1バッチ当たりの仕分場面積を算出。
4.3.の計算値に面積倍率をかける。

バラ出荷はピッキング
1.出荷先ランク別にフロー棚か中量棚かを指定する。

1-1.バラ出荷ランクA1はフロー棚を指定し、フロー棚の仕様を設定。
棚幅=2400、棚奥行=2050、棚高=2114、段数=4、間口数(段当たり)=5
1-2.'フロー棚棚当りの平面積計算
棚当り面積 = 棚幅 * 棚奥行 / 1000 ^ 2
棚当りPic通路面積 = 棚幅 * 800 / 1000 ^ 2
棚当り補充通路面積 = 棚幅 * 800 / 1000 ^ 2
棚当り計算平面積 = 棚当り面積 + 棚当りPic通路面積 + 棚当り補充通路面積
1-3. 'フロー棚棚当りの間口容積計算
棚幅有効寸法 A = 棚幅 – 60
間口有効幅 = (棚幅有効寸法 - (棚段当り間口数) * 20 + 20) / 棚段当り間口数 '間口間隙間20は間口数+1
間口有効奥行 = 棚奥行
間口有効高 = (棚高 - (80 * 棚段数 + 20)) / 棚段数 '80は部材厚、20は一段目ロス
間口有効容積 = (間口有効幅 * 間口有効奥行 * 間口有効高) / 1000 ^ 3
間口計算容積 = 間口有効容積 * (棚_間口容積充填率 / 100)
棚当り計算容積 = 間口計算容積 * 棚段数 * 棚段当り間口数
1-4.Tera設定はA1・A2ランクはフロー棚を指定している。

2-1.バラ出荷ランクBは中量棚を指定し、中量棚の仕様を設定。
2-2.中量棚棚当りの平面積計算
棚当り面積 = 棚幅 * 棚奥行 / 1000 ^ 2
棚当りPic通路面積 = (棚幅 * 600) / 1000 ^ 2
棚当り計算平面積 = 棚当り面積 + 棚当りPic通路面積
2-3. '棚当りの間口容積計算
棚幅有効寸法= 棚幅 – 60
間口有効幅 = Int((棚幅有効寸法 - 棚段当り間口数 * 10) / 棚段当り間口数 + 0.5) '間口 間隙間10は間口数+1ある
間口有効奥行 = 棚奥行 間口有効高 = Int((棚高 - (130 + 棚段数 * 40)) / 棚段数 + 0.5) '一段目棚は130に含む
間口有効容積 = (間口有効幅 * 間口有効奥行 * 間口有効高) / (1000 ^ 3)
間口計算容積 = 間口有効容積 * (棚_間口容積充填率 / 100)
棚当り計算容積 = 間口計算容積 * 棚段数 * 棚段当り間口数
2-4.Tera設定はB・C・Dランクは中量棚を指定している。

Int(***+0.5)は計算結果数値の少数ケタを4捨5入すると言う意味。

バラ棚集計表は上記計算式に基づいて計算過程と計算結果を表示している。

バラ出荷の検品と包装
ピッキングされたバラ出荷商品は全て出荷コンテナに入れられて検品・梱包場に搬送される。
(ケース出荷商品はケース仕分時に検品済み)
検品。梱包場の面積は、
1.時間当たりのバラ数8.252=バラ出荷バラ数26,449/ピーク時物量比31%
2.バラ数延べ処理時間24756=時間当たりのバラ数8.252/バラ当たり検品時間3秒
3.検品ライン数7=バラ数延べ処理時間24756/3600秒 ‘一時間で処理するため
6.必要面積45.4=検品ライン数7*ライン当たり面積6m2*面積倍率110%
出荷オリコンの大きさによりライン当たり面積6m2を変えている。

出荷スペース面積倍率
出荷スペースの面積倍率は、作業内容が異なる複数の作業が有るため、その作業ごとに面積倍率を設定。

出荷作業スペース計算結果表示
バラ出荷の計算時に棚の在庫日数をチックしながら棚の仕様を決めると書いたが、この表の「在庫」フロー棚3.5日分・中量棚12.8日分が着目する棚の在庫日数。
この作業スペース在庫物量は、
保管スペース在庫=全在庫―作業スペース在庫となり、
保管スペース在庫に影響を与える。

第4項 保管スペース面積の計算

ケース出荷アイテムは、保管スペースより直接出庫してるから全在庫が保管スペース在庫となる。 バラ出荷アイテムは、保管スペースから出荷作業スペースへ補充し、出荷作業スペース(フロー棚や中量棚)からピッキング出庫している。
このフロー棚や中量棚に一定量のバラ出荷アイテムが保管されている。 したがって保管スペースのバラ出荷分アイテムの在庫は、バラ出荷アイテム全在庫量―出荷作業スペース在庫となる。


保管スペースと出荷作業スペース物量振分け計算
タブページ保管物量振り分け画面は全在庫から出荷作業スペースの在庫を引いて保管スペースの物量算出する計算過程を示している。

着目点は、バラ出荷アイテムDランク品が出荷作業スペース棚のみで完結し、保管スペース棚には保管しないアイテム数を計算している。
バラDランク全アイテム数 = 2847
バラDランク全容積= 118
バラDランクバラ棚容積= 241
バラ棚容積比=204%
バラ棚完結アイテム数2847 = Int(バラDランク全アイテム数* ((バラ棚容積比/ 100) * 0.6) + 0.5)
バラ出荷アイテムランクDランク(出荷無し在庫数含む)のアイテム数3082のうち2847アイテム数は出荷作業スペースの棚に保管され保管スペース棚には保管されない。 保管スパース棚に保管されるバラ出荷アイテムランクDランク商品は235アイテム数となる。

もう一の着目点は、出荷作業スペースの棚計算は容積換算、保管スペースの棚はPL換算を使用している点。 パレット格納数は容積換算では正確な計算ができない。出荷データ項目に各アイテムにケースのPL積載数(積み付けモジュール)が設定されているのはこのため。

出荷ランクと保管設備割付
出荷ランクと保管設備割り当て画面はアイテムランクに保管機器を割り付ける画面。
各ランクにコンボボックスにPL固定棚・PL電動棚1・電動棚2。プッシュバック棚・PL自動倉など5種類の格納設備を割付可能。

各設備共通に消防法で決められた約束事が有る。
棚の最上段に保管する保管物の底部が5000m以下であること。 5000mを超えたときは仮想床が追加され200m2の設備は仮想床200m2(5000mピッチで仮想床が加算される)となる。 通常建物は1500m2ごとに防火壁が必要であるが、仮想床200m2が加算された建物は床面積1300m2で防火壁が必要となる。 仮想床とは実際に床が無くても床有るとして法的適応を求められる計算上の床。

PL固定棚
tera計算は、全ての計算においてパレット荷姿を1100W1100D1350H(PL高150㎜含む)で計算している。


保管荷姿の種類は、1パレットに1アイテム載せることを単載格納(単載PL )と言い、1パレットに2アイテム載せることを2混載格納(2混載PL)と言う。混載格納は先頭文字に混載アイテム数を記することに混載区分をする。
パレット上の商品は同じ商品を縦方向に積み上げ(棒積みと言う、)他の商品と混ざらないよう管理している。このため混在PLは単載より保管効率が落ちる。PL固定棚は大部分の配送センターで導入されている棚で、ビーム(横梁)でパレットを支えているため、棚の間に荷役通路をもける(デュアル棚と言う)ことで常にどのパレット上の商品に対しても荷役が出来る。
直積みのように商品の上に商品を載せることはなく商品破損を防ぎ、パレット上の商品が規則正しく並んでるためロケーション管理(商品と棚番地を紐付けて管理し入出庫が楽に正確にできる仕組み)が容易。
棚は建物から100-200㎜(高さ・建物との取り合いにより変化)離してアンカー(床止め金具)固定して荷役時に役商品・役機器の建物との接触を防ぎ、地震時の建物と棚の接触を防ぐ距離(クリアランスと言う)を取る。
保管されている荷の隙間(リアランス)は棚支柱・横ビーム。パレット荷共に100mm。

1.棚設置部Aと棚補助通路Bを計算単位として、A部棚が2列*5連*3段*2PL=60PL保管に必要な13.1m*5m=65.5m2、B部通路は加算を選択した時5m*2m=10m2が計算に追加される。 但し、1棚2PL*3段で構成されるため6PLの整数倍で、130PLであれば132PLとして計算。
例として、132PL保管が必要な時132PL/6PL=22棚となり、A部は10棚構成なので=2.2倍の面積65.5m2*2.2=67.7m2の設置面積が必要となる。
棚補助通路は、2.2倍*10m2=22m2必要となる

PL電動棚1
PL電動台車は納入事例が多い設備で有る。

PL電動棚はPL固定棚を電動台車に載せ、電動台車棚を移動させることにより荷役通路(2通路)を共有、通路を少なくする (1通路) ことにより棚設置面積を小さくする。
電動棚が商品化された初期は床に軌道レールを埋め込む必要があったが、最近はレールレスになってきている。レールレス電動棚は床工事が必要ないため、この点が納入事例が多くなった要因となっている。
計算方法はPL固定棚と同じ。
注意点は電動台車高200-250㎜有るため、電動台車上にあるPL棚高さ方向寸法はPL固定棚より200-250㎜嵩上げされた寸法になる。 電動台車の連方向の片側に制御盤400㎜が取付、連方向はPL固定棚寸法+400㎜となる。
大きな荷重の棚が動き、棚が偏向集中するので床強度に注意が必要。

PL電動棚2
PL電動棚2はPL固定棚棚の間にPL電動棚を2台置き、3通路必要なところを1通路で荷役を可能にしている。

プッシュバック棚

[寺本敏幸4]


PL自動倉庫

出荷コンテナ数の計算

パレットモジュール計算

トラック軌跡図

フォークリフト荷役通路幅

各保管設備面積比[寺本敏幸5]

第7章 Tera計算2_配送センター規模計算

配送センター規模計算は難しい計算はしていない、ケースやバラが移動したり保管したりを繰返す足し算と引き算の連続で、その計算に高等数学はない。 ただ、計算するとき単位が頻繁に変わる、入荷はケース単位・保管は混載パレット単位・出荷エリアのピッキング棚補充はケース単位・ピッキングはバラ単位と同じアテムが計算する目的により計算単位が変化する。 同じアイテムに対して使われる単位は出庫回数(行数)・バラ数・ケース換算・PL換算・容積換算で使用頻度が少ないが重量換算がある。 計算の元はバラ数であるが常に各換算値を見出せるようすることが肝要。
取り扱う商品は形状のある個体であるが、計算時は水のような液体と考え、コンテナ用容器(棚の間口容量・トラックの荷台容量)の容量と充填率で計算する。ケースは体積であるが容量換算としているのは上記の意味合いからである。
ケースの容積からバラ容積を求めているがバラ容積の中に包装材(段ボール)の容積も含まれている。 本来は包装材の容積分を除くべきだがそのまま計算、その位Tera計算2は荒い計算であることを理解いただきたい。
Tera計算2は現場で使用してきた個別の計算をソフトでつなぎ合わせてる。 他の計算方法もあると思うが、他の方法が計算しやすく精度の良い方法で有ればそちらを選択頂きたい、Tera計算2は配送センター規模計算を行うための1例を示しているだけである。
Tera計算は入力項目が200近くあるがすべてTera設定で入力済み、実行ボタンを押せば全ての計算を行い敷地規模まで計算が完了する。 また、Tera設定を変更した場合は全ての入力値を再度確認して再計算を行う。
出荷データにはアイテム区分・出荷区分・出荷ルート区分があるがTera計算2はこれらの区分は考慮されていない。 特に段ボール出荷は全て出荷コンテナ容器で出荷するとして計算している。 次回改良版ではこの区分を入れて計算する予定。

第6節 敷地面積計算

ここに文章を書きます建物を敷地レイアウトに組込むとき、建蔽率・容積率と同時にトラックの導線を確保(トラック旋回通路)が需要。 入荷バースは大型トラックが多く、出荷バースは小型トラックであるがバース数が必要多い傾向にある。トラック通路(有効幅)=トラック旋回通路+1mは最低必要となる。
敷地はトラック導線の他に駐車場・駐輪場、トラックの待機スペース等、法的に指定された緑地がある。 特にトラックとの干渉を避けた、安全な人の導線確保(大型センターでは延べ500人以上通行)が重要である。

第7節 建屋面積計算

配送センターを建設する場所を立地と言い、建設する立地によりいろいろな法的規制(立地条件)がある。 都市計画法に限ってみても住居系や商業系・工業系などの13用途に分かれている。 その他建築法・消防法・電波法や近隣住民との調整など 、立地選定は専門家でなければ対応できないほど多い。
立地選定時には必ず用地面積(又は建屋面積)が必要となる。 これを社外に依頼すると時間とコストがかり、さらに社内負荷として現場調査(面積計算の前提条件を設定)をしなければならない。
Tera計算2は出荷データから物流スペースの面積規模計算する方法と手順を教育するソフトであるが、立地選定時の参考資料を提供したく用地面積(建物面積)の計算行うソフトを追加している。 この計算値は参考値であって面積確定値ではないこと、最終的な面積確定は他の条件や別資料と併用して計算値を修正いただきたい。

有資格者(1・2級建築士)の設計図でのみ建物を建てることはできる、無資格者は建物の仕様を決めることはできない。 しかし配送センター面積や規模のイメージを持つことは可能であり必要と考える。
Tera計算2で示す建物図はイメージ図で設計図ではない。Tera計算2で示す建物寸法は仮寸法で、概算面積を算出するためのみに使用にている。

建屋縦横比
Tera計算2スペース面積集計には寸法の概念がない。 建物縦横比を指定することにより建物寸法を計算している。 縦横比1:1や2:1は少なく、3:2や4:3のような長方形型の配送センターが多い。

外壁・柱・防火壁
柱は建物を保持するための強度(材質・厚み・縦横寸法)が必要であるが、多階層の配送センターでは壁も建物強度を保持する役割(構造壁と言う)を果たしている。 したがって、建築後の壁は開口部を作るなどの変更は出来ない。
Tera設定は、外壁200mm・、柱は1階建て700㎜*700㎜で1階増すごとに100㎜増で柱ピッチ10mとしている。
建屋の投影面積計算は外壁厚芯(壁厚200㎜であれば100㎜内側)を基準にして建屋投影面積を計算している。
外壁厚・柱スパン・防火壁厚のTera設定変更は面積計算に反映される。

床・梁と立面寸法
1階床は高床式1000mmで階高は各階床上7000㎜。 床厚+梁高は1000㎜として階高を算出している。

多階層と庇(ひさし)
庇(ひさし)は配送センター入出庫口に設けられた雨除け屋根のこと。 3階以上の建物は庇が無く、建屋内にトラックが入る(Tera計算ではバース組込型と呼ぶ)形が多い。
庇は庇面積の50%が建屋投影面積に追加され、建蔽率=(建屋投影面積+庇面積*50%/)/敷地面積となる。

非常階段・エレベータ
2階以上の建物は非常階段・エレベータの面積を追加される。
Tera計算では、建屋全面積に対して1500m2ごとに防火壁を設置、1500m2ごとに1.5m幅の非常階段と(2.3m2*2.3m2の貨物エレベータの面積*1.5セット)を追加している。

母屋・別棟PL自動倉庫
通常配送センターは複数の建屋ではなくい1棟の建屋で完結されている。
しかし、まれに自動倉庫をラックビル(棚部材に利用壁屋根を張付けた建屋柱が無い建物)にして別棟を建てる例がある。 まれでは有るが敷地レイアウト(特に通路幅)に影響を与えるのでTera計算2に組込むことにした。
自動倉庫は投資効果を高めるため段数を多くなる、段数が多くなると2階や3階が吹き抜け構造になる。 建屋の床無し(吹き抜け)構造は構造的にもコスト的にも良いものではない。
自動倉庫を導入する場合は自動倉庫を別当にするか、配送センター(母屋)に組込むかは検討に値する事項と考えている。

建屋タイプ40パターン計算
建屋タイプ40パターンは、別棟区分2(別棟A及び別棟Bは同じ面積)*階数5*庇有無2*バース面2=40通りある。 この40通りの面積と主要寸法を計算し一覧表(Excel出力可能)にしている。敷地面積画面はこの一覧表よりは建物情報を得ている。

建屋仕様と多階層センターの計算
建屋面積画面の階数・別棟有無などの設定を変更して建屋(母屋)の縦横寸法の表示変化を確認できるが、この表示は一時的な表示で敷地面積計算には反映されない。(建屋タイプ40パターン計算が敷地面積計算に使用される)
母屋 平面寸法
建屋面積画面に建屋(母屋)の寸法を表示しているが縦寸法を変更して、横寸法を確認できるようにしているが、この表示は一時的な表示で敷地面積計算には反映されない。

母屋立面寸法
面積計算には使用しないが建屋のイメージを得るために高さ方向の寸法を表示している。

別棟PL自動倉庫 平面・立面寸法
別棟を採用した時のPL自動倉庫(ラックビル)の図と概略寸法を記載している。

第4節 必要スペース計算

第1項 在庫の平均と安定時運用在庫の違い

左図はtera計算2の在庫量推定画面のフローである。

在庫とは、出荷のために事前に入荷し保管保管している商品、在庫量はその物量。
在庫量は在庫日数と言う単位でも表現できる、在庫日数は出荷量の何日分に相当する物量と意味。 Tera計算では在庫(日)で記されたものは在庫日数のこと。
最大在庫は在庫の上限値、これ以上の在庫はしない。
安全在庫は 在庫量の下限値で常に確保している在庫、入荷品の遅れや予想以上の出荷が有った時はこの安全在庫から出荷する。
最大在庫から安全在庫を引いた在庫が変動する在庫で、日々の在庫の変動はこの範囲で上下する。
注文点は仕入発注してから入荷されるまでの期間を逆算して設定された発注日の在庫で、この注文点の在庫を最小在庫と言う。 仕入担当者は在庫が減じて最小在庫になると仕入発注する。
最大在庫日数を守り保管規模を小さくするためには、各アイテムの入荷日を分散(変動する在庫6日分180アイテムあれば一日30アイテム入荷)する。 安定運用時在庫=変動する在庫/2+安全在庫の管理をすることで、配送センター全体の在庫量を最小かつ一定に保つことが出来る。 Tera計算ではこの管理された在庫を安定運用時在庫と呼ぶ。

計算例で説明する。 下記の図で出荷数10個/日とすれば、「最大在庫=出荷数*最大在庫期間=10*8=80個」
「在庫の平均=最大在庫/2=40個」、「安全在庫=出荷数*安全在庫期間=10*2=20 個、入荷期間が2日であれば、「最小在庫=安全在庫+(出荷量*入荷期間)=20+(10*2)=40個」となる。

Tera計算の在庫計算は在庫の平均ではなく、下記の安定運用時在庫の計算を行っている。
「変動する在庫=出荷数*(最大在庫期間-安全在庫期間)=10*(8-2)=60個」
「安定運用時在庫=(変動する在庫/2)+安全在庫=30+20=50個」

上記の計算で考えると、最小在庫時に仕入発注を繰り返すと最大在庫=最小在庫となり、出荷の3日前から、1日分の仕入発注を毎日繰り返すと「安全在庫+出荷数*1日」が最大在庫となる。 賞味期間の短い牛乳の配送センターのように、安全在庫もなく当日入荷の当日出荷を行っている 配送センターもある。
しかし大半の配送センターは、最小在庫の2倍以上の在庫(最大在庫)を持っている。
仕入数により仕入単価が違う事や商品確保、メーカであれば製造ロットの確保等、全社的メリットを顧慮して最大在庫が設定されている。

Tera計算は、配送センター側の都合だけで出荷量が担保できる在庫量を設定すると現状と合わない少ない在庫設定となるので、最大在庫と安産在庫を任意に変更できるよう工夫している。

注:安定運用時在庫はTera計算説明のために使用した用語で在庫用語ではない。また、在庫の平均も在庫用語の平均在庫と意味が違う。 在庫用語の平均在庫は他の書籍で確認頂きたい。

第3節 入荷量推定

Tera計算から入荷量を推定することが出来る。


第1項 入荷量推定
在庫は、最大在庫と安全在庫の間で変動する。 変動する在庫=最大在庫―安全在庫
で、変動する在庫日数=6日であれば6日サイクルで入荷し、入荷日に最大在庫となり、次の入荷日の入荷確定する直前は変動する在庫は0となる。

入荷日を分散して入荷することが、配送センター全体(全アイテムの総在庫量)の在庫数を
少なくすると前項で説明したが、計算例で説明する。
1.連番1-5は出荷量を表示。
2.連番6-7は最大在庫と安全在庫を設定し、最大在庫―安全在庫=入荷サイクルを計算している。(連番8)
3.入荷アイテム数はアイテム数(連番1)/入荷サイクル(連番8)
4.入荷量は出荷量=入荷量なので連番2-5と連番10-13の数値は同じになる。
5.アイテム当たり入荷物量の表は入荷荷姿を判別するための表。
アイテム当たり入荷量が0.5PL以上で有ればパレット単位入荷。0.5PL以下はケース単位入荷、0.5ケース以下はバラ単位入荷とする。
バラ出荷分商品のB行I_C及びB行I_D(連番16)はケース単位の入荷となる。
7.ケース出荷分商品とバラ出荷分商品を合計して全入荷量を計算。

注:B行I_D(バラ出荷分商品の連番1)のアイテム数1380は、出荷アイテム数480+出荷していない在庫900として計算。

第5項 事務所・福利厚生スペース計算

ここに文章を書きます。

第6項 全物流スペース面積と面積調整

物流スペース面積は出荷スペース面積・入荷スペース面積・出荷作業スペース面積・保管スペース・事務所_福利厚生面積を別々に集計している。 これらの面積は作業をしていない時間帯や作業運用の工夫によりスペースを共有して使用できる。 共有し物流スペース面積を削減できるスペースは入荷とケース仕分け。
また、上記計算に追加しなければならないスペースは資材・副資材置き場とメイン通路がある。

入荷スペース共有
通常、入荷は出荷前の午前中に物量が集中する。 午前中の入荷物量60%で出荷スペースが入荷スペースとして100%使用できれば、入荷スペースの負荷は60%減少することになる。 面積計算には他の計算要素もあるので単純に60%削減と言うわけにはいかないが減ることは確かである。
Tera設定ではスペース計算組み込んでいないが検討頂きたい。

ケース仕分け共有
ケース仕分けは作業運用として、保管スペースからの蔵出し仕分けと連続したの作業が想定される。 ケース出荷は物量が多く仕分け作業前の出荷スペースは空いている、メイン通路の一部は使用頻度が少ない、保管スペースの一部に使用頻度の少ない荷役通路がある、保管スペースから出荷スペースの導線上にあれば仕分けスパースが分散しても作業効率は落ちない等。 仕分けスペースと他スペースの共有しうる要素がある。
Tera設定ではスペース計算組み込んでいないが検討頂きたい。

資材・副資材面積
出荷用段ボールやその梱包用テーブ、未使用の送り状・各種帳票類が対象となる。
出荷用段ボールの保管比率が多きため、段ボール出荷量(バラ出荷に使用)が面積を決める要素となる。 Tera設定では保管スペースに商品が1000PL保管されていたら20PL(保管スペースPL数*2%)としている。

メイン通路設定
入荷スペースと保管スペースが隣接していいない場合、保管スペースと出荷作業スペースが隣接していない場合、搬送通路が必要となる。
Tera設定では配送センターの4m*横方向寸法を計算しているが、目安としては前記計算の50%と考える。

物流スペース集計
物流スペース最終調整とメイン通路を加味した物流スペース集計は建屋仕様設定の基礎数値として使用。

第1節 規模計算用データ加工

Tera計算2のランク設定キーはPL換算を採用している。これは配送センターの面積比率が大きい保管スペースのパレット保管に着目しているため。
元となるデータは「T200」から得ているが、計算データは全出荷の平均を採用(Tera設定)している。
その理由は2点。1.特定の出荷日を採用するとその出荷日に出荷していないアイテムが計算から漏れてしまう。 2.出荷の多い出荷日を採用すると配送センター規模が必要以上に大きくなる、平均より多い出荷日は安全在庫で補える。
Tera設定で全体データの平均を採用しているが、出荷日指定も計算できるのでTera設定を変更して規模の違いを検証いただきたい。
他の章でも書いているがケース出荷とバラ出荷を区分して別々に計算している。
計算している集計は下記データ含めて32テーブルをAccessに保管している。
これらのデータはバラ数とケース換算・PL換算・容積換算・重量換算を含んでる、これらのAccessデータを利用してTera計算以外の計算を試していただけるようテーブルを公開している。

第7項 建ペイ率・容積率

建ペイ率は用途地域(計画的市街地を形成するために、用途に応じて13地域に分けられたエリア区分)より変化する。 建設ができない地域もあるので他著作物で確認いただきたい。
計算は建ペイ率=(建屋投影面積+庇面積*50%)/敷地面積、容積率=延べ床面積(仮想床加算)/敷地面積。 Tera設定では建ペイ率60%・容積率200%で計算している。

第8節 Tera計算に無い物流機器の規模計算

廃段ボール処理場、仮置き場
パレット容器洗浄場
各スペースの管理事務所
トイレ・洗面所
避難のための誘導通路の検証
入居する他部門の配慮

法的に一定期間保管が義務付けられている自社の伝票帳票保管有無

建屋の外壁・防火壁・柱に対する法的配慮
建築法・消防法等の法令に対する配慮(立地により適用が異なる)
建物・敷地における道路の取り合い・保安防犯・駐車駐輪所、緑地高さ制限、近隣調整



第2項 在庫量推定

出荷データから在庫量を計算する方法は前項で述べた。
計算例として、出荷データ2022/05/09から在庫量(PL換算)計算する手順を説明する。
1.アイテムランク別に2022/05/09の出荷物量算出(連番1-5)。
2.最大在庫数(日)及び安全在庫(日)で指定し(連番7-8)、安定運用時在庫(日)を計算、計算式は安定運用時在庫=(最大在庫(日)―安全在庫(日))/2+安全在庫(日)である(連番9)。
3.安定運用時在庫数量を計算、計算式は出荷量*安定運用時在庫(日)。
4.安定運用時在庫*出荷量で計算(連番10-14)。 連番16-18は安定運用時在庫/アイテム数で算出。
5.この表計算のポイントは、パレット積付方法の計算。 単載積付はパレットに1アイテム積載、2混載積付はパレットに2アイテムを積載で、 混載積付は先頭数字がパレットに積載するアイテム数を示している。
単載積付と混載積付を区分する方法は、アイテム当たり在庫(PL換算)が0.5PL以上で有れば単載積付で、0.5PL~0.33は2混載積載、0.32~0.25は3混載積載0.24-0.125は4混載積載で、0.125以下は8混載積載として計算している。
混載積載のPL換算はアイテム数/PL積載アイテム数で算出する。

Tera計算では、バラ出荷のB行I_Dランクの出荷アイテム数に出荷していないアイテム数を加算している。 また、保管スペース計算時は上記計算の1.1倍(Tera設定)物量として計算している。


第2節 在庫量の推定

今、手元に実績を記録した在庫データと入荷データがあるのに、Tera計算で在庫データと入荷データを算出するのは意味がないという意見がある。
しかし、著者は在庫データと入荷データをそのまま使用するしてはいけないと考える。
実績を記録した在庫データと入荷データが出荷データに対して適正量であるか否は、出荷データから算出した在庫量と入庫量と比較しなければ判定できない。
Tera計算は出荷データから在庫量と入庫量を算出している。

著者はデータ提供者に対して、「在庫データと入荷データが出荷に対して物量がどの位置付けに有るか」を説明し、データ提供者と共通の認識のもとに入荷量・在庫量を算出しなければならないと考えている。
この仕事を怠ると、今までに潜在する問題を見逃し、時には間違った設定でシステムを設計することになる。